【歳時記】3月19日 今日は何の日?:カメラ発明記念日 など

カメラ発明記念日

1839年3月19日、フランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(Louis Jacques Mandé Daguerre)が写真機を発明しました。

彼の発明したカメラ(ダゲレオタイプ)は長時間露光させるため、写真機の前で長い時間(30分ぐらいらしい)動かずにいなければなりませんでしたが、それでも大変物珍しく人気を集めました。


ダゲールが撮影した写真 ちょっと怖いw

彼の発明も含め、この時期の写真機は、銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれています。

写真機の発明者は別の人ではないかという説

ダケール以前に写真を発明していた人がいます。こちらも同じフランス人で、ニセフォール・ニエプスという発明家。

彼はヘリオフラフィという写真技法を世界で初めて実験して、成功をおさめました。1824年なので、上記のダケールの発明の15年前です。

彼が発明した写真技法は、鉛とすずの合金による板を、アスファルトを感光剤にして変色させるという技法です。

像を感光させるために、8時間から20時間ほどの露光時間がかかったとされています。人間を撮影するのは不可能ですね。

ちなみに「ヘリオグラフィ」とは「太陽で描く」という意味です。

ということで、「写真」の定義をなににするかにもよりますが、私は、露光時間の長さから、事実上人間を撮影できなくても、これは「写真」なのではないかと思うのですが。

昔、学研の付録にピンホールカメラと現像セットがあってすごく大切にしながら遊んだ覚えがあるのですが、あれにしても、とてもじゃないけど人間を写すのには適していませんが「写真」ですものね。



写真機が日本伝わったのは1848年

幕末に日本が開国すると、写真技術は日本にも伝わりました。

嘉永元(1848)年に長崎の商人、上野俊之丞(写真家・上野彦馬の父)が初めて写真機を輸入し、薩摩藩に献上しました。カメラは前述のタゲレオタイプ。藩主・島津斉彬(しまづなりあきら)は「印影鏡」と名づて、さっそく研究を命じます。

なお、現存する最古の日本人が撮影した写真は、1857年(安政4年)に写された斉彬の肖像写真だと言われています。

献上された写真機で撮影されたものでしょうか。斉彬が側近たちに自分を撮らせたのですが、2日間かけて3、4回撮影してお気に入りの写真が撮れたようです。

この時代の写真を美しく取るための工夫。

前述のとおり、明るい日中でも30分もポーズを取らなければならないのですから、キレイに撮ってもらおうとすると取られる側も大変です。

じっとしていなければならないのは当然のことですが、実際には少しも動かずにいるなど不可能なことで、後ろから首を固定するための棒や、背中から体を支えるための木枠がつかわれていたとか。


このポーズで30分間不動を保った?

坂本龍馬も写真が残っていますね。彼の写真、立ち姿でキリッとした表情が魅力的だったりするのですが、さすがに固定器具は使っていないと思います。となると、あのポーズで30分間決めていたのですね。役者ですなあ。

昔、写真を撮ると「魂を抜かれる」と言われていた理由

日本に写真機が入り始めた江戸末期から明治初期、写真を撮られるということは、かなりのレア体験でした。しましには写真を撮ることで「魂を抜かれる」という言いがかりのような噂まででてきました。

どうもこの根拠は、晴天でも30分間、曇ってきたりしたら1時間以上も同じ姿勢を保つことになり、疲れてぶっ倒れてしまう人が出ていたようで、これが「魂を抜かれる」という噂の理由らしいです。

明治天皇も写真嫌いだった

明治天皇の写真というと、軍服を着た威厳ある肖像写真を思い浮かべますが、これは写真ではなく肖像画です。


この時の明治天皇は21歳 神奈川県立歴史博物館蔵

天皇も例の噂を信じていたのかは定かではありませんが、写真撮影が大嫌いだったそうで、最後に撮影されたのは21歳の頃に撮影されたもので、、それ以降はは全く写真を撮りませんでした。しかも肖像画を描いてもらうのも嫌がられたらしい。

欧米諸国の事情を知って、国家元首の肖像がないことに困っていた明治政府。そこで「お雇い外国人」のイタリア人の版画家、彫刻家エドアルド・キヨッソーネ、何とかして肖像画を描いてくれないかと頼み込んで、隠し撮りならぬ隠し描きを成功させました。それがこの写真っぱい肖像画です。


エドアルド・キヨッソーネが描いた明治天皇 Wikipediaより

そういえば、猪瀬直樹氏の「ミカドの肖像」ってノンフィクション作品がありました。なかなかの傑作です。1985年ごろの作品だったかと思います。氏はとても見苦しい形で都知事を辞職しましたが、あのひと昔は偉かったのです。



3月19日の誕生花:「アザミ」

3月19日の誕生花は「アザミ」です

アザミの花言葉は、「独立」「報復」「厳格」「触れないで」

このうち「独立」「報復」は、アザミの葉やツボミのトゲにより国土を守ったとされるスコットランドの言い伝えにちなみます。「触れないで」の花言葉もアザミのトゲにちなみます。

3月19日生まれの有名人・芸能人(敬称略)

いとうせいこう 小説家、作詞家 1961年3月19日
稲森いずみ 女優 1972年3月19日