3月31日はエッフェル塔の日!仮設の展示物が永遠の観光名所に

パリ万博の目玉の展示物として建設されたエッフェル塔


1889年のパリ万博会場とエッフェル塔
1889年のパリ万博会場とエッフェル塔


1889年3月31日、フランスの首都パリでエッフェル塔が開業しました。高さは300メートルにもなる鉄塔で当時世界一高い建造物として注目を集めました。

エッフェル塔は、1889年5月6日に開催されたパリ万博の目玉とし建設を予定されたそうです。

5月6日が万博の幕開けで3月31日が開業だったのでギリギリ間に合ったと言ったところでしょうか。着工からは、2年2ヶ月程で完成したそうです。重機もない時代だったことを考えると、驚異的な速さで造り上げたといえるでしょう。

さらにスゴイことに、徹底した安全管理が行われ、1人の犠牲者も出さなかったそうです。

建設から130年以上経った今でも、誰もが一度は訪れてみたいと思う憧れの観光名所のひとつになっていますね。華の都パリの立派な象徴と言えるでしょう。

エッフェル塔は、別名「鉄の貴婦人」と呼ばれています。

フランス語の名詞には男性名詞、女性名詞とあり、「塔(フランス語:tour)」が女性名詞であるところから来ているようです。

パリ市民からは「La Grande Dame de Fer(鉄の女)」というあだ名で呼ばれているとか。サッチャー元首相かよ!とツッコミを入れたくなりますが。

とはいえ、遠目から見ても、どの方角から見ても、真下から見上げても、青空を背景にしても、夕焼けを背景にしても、はたまた展望台からの景色を一望しても「美しい」と言う表現が一番似合うエッフェル塔。「鉄の貴婦人」という名前がしっくりと来ますね。

地元パリジャンからは大不評

今では、パリのシンボルのひとつとなり、誰からも愛されているエッフェル塔ですが、建設当時、市民からは不満の声が上がり著名活動や反対運動が行われるなど前途多難な出だしでした。

建設に反対していたのは主に作家や芸術家などで、理由としては「パリの景観が壊れる」と言うものだったそうです。

芸術を愛し、パリを愛していたことがよく伝わりますが、愛し方は人それぞれと言ったところでしょうか。

その当時、フランスが誇る建設時術で、世界で最も高い建造物となるエッフェル塔を完成させ、パリ万博のシンボルとし観光客を呼び寄せるのも「パリ愛」だったのでしょう。

反対運動の代表的な人物には、ギ・ド・モーパッサンと言う文学者がいます。彼が残した言葉には、エッフェル塔を心底嫌うような言葉も残っています。

「ここがパリの中で、いまいましいエッフェル塔を見なくてすむ、唯一の場所だから」

この言葉だけ聞くと、よっぽどエッフェル塔が憎かったのだろうと想像できますが、その唯一の場所と言うのがエッフェル塔の一階にあるレストランだったそうです。

エッフェル塔の入場料やレストランでの食事代を支払ってでもエッフェル塔を視界に入れたくないと言った心情でしょうか。クスっと笑ってしまうエピソードです。

「エッフェル塔が嫌いな奴は、エッフェル塔に行け」と言うことわざは、彼のこの言葉がもとになっています。

単なるエッフェル塔嫌いに留まることなく、少し頭をひねらされる「ことわざ」にして後世に残してしまうあたりが、さすがは文学者と言ったところです。



軍事用無線の電波塔の役割を得て、取り壊しの予定をまぬがれた!

130年あまりとはいえ、悠久の時を過ごしてきたようにみえるエッフェル塔ですが、実は、開業から20年後の1909年には取り壊される予定でした。

あんな美しい建物がと思われる方も多いでしょう。

もっとも当時はパリに合わないとか散々な言い方をされていましたが。そもそもが万博のアトラクションのだったので、これといった使い道も無いうえに、メンテナンス代も馬鹿になりませんからね。

幸いにも取り壊しを免れることができた理由は、エッフェル塔が無線通信のアンテナとして大きな役割を担う事が出来たからです。

無線技術が軍事に役立つと活用されるようになってからその役割が与えられました。実際に、当初の取り壊し予定だった5年後の1914年に勃発した第一次世界大戦では大活躍しています。


第一次世界大戦の頃のエッフェル塔

こうして生き延びた(?)エッフェル塔には、2017年の時点で通算来場者数が3億人を突破しました。
一日あたりにすると25000人になります。

巨大な大英博物館や、ルーブル美術館やベルサイユ宮殿ならそれぐらい入れそうですが、決して広くもないタワーの展望台にこれだけの人が毎日の訪れているのですから、その人気のスゴさがうかがい知れます。

事実、有料建造物の中で世界で一番多い来場者数とのことです。

今も現役!水圧で動くエレベーター


エッフェル塔、下部エレベーター

エッフェル塔の建物の中で驚く事は、エレベーターが電気ではなく水圧で動いていると言うことでしょう。

さらにはこの水圧式のエレベーターは今現在も駆動していると言うから言葉も出ません。


エッフェル塔、下部エレベータの水圧装置
下部エレベータの水圧装置

水圧式のエレベーターを見た事も無ければ、体験した事もありませんが、一体どんな乗り心地なのか、何人まで乗せて昇降する事ができるのかとても興味深いものですね。

ところで、身近な建物で言うと東京タワーは、エッフェル塔をヒントに建設されたと言われています。

東京タワーの高さは333メートルとエッフェル塔(当初300m、電波塔になって320m)に近いですし、もちろん、東京タワーも電波塔としての役割を担っています。(現在はスカイツリーの予備の設備)

130年以上も前からエレベーターを考えた人がいるおかげで、現在の私たちもその恩恵を受けています。

今のようにコンピューターの無い時代です。ボタン一つで分からない事をすぐに検索できる時代ではありません。昔の人の発想や成功に導くまでの日々と言ったら、きっと私達の想像を超えていることでしょう。

3階(一番上の展望台)へのアクセスは階段だけだった


エッフェル塔の展望台までの階段

エッフェル塔が開業してから約100年ものあいだ、2階から3階(一番上の展望台)へ昇る手段は階段のみでした。体力のない人と高所恐怖症はお断りという、訪れる人を選ぶ観光名所だったようです。

エレベーターに更新されるまで、エッフェル塔の1階から3階までの階段は1707段あったそうです。それでも最上階からの景色を見ようと階段を歩いて昇った人は少なくはないようです。

近年、2階から3階までを繋いでいた螺旋階段の一部がオークションにかけられ、注目を集めていました。

オークション落札価格は、予想をはるかに上回る日本円で約3440万円もの値段がつけられたそうです。

仏エッフェル塔の階段、3440万円で落札 予想価格の10倍(AFP、2020年12月2日 )

エッフェル塔の展望台でプロポーズをしたと言うロマンチックな話題もあります。ハリウッドスターのトムクルーズはエッフェル塔の展望台でケイティホームズにプロポーズし婚約を結んでそうです。

エッフェル塔でプロポーズをした理由を聞かれると「行ったことがなかったし、ここパリは美しく、ロマンチックな街なんだ」と答えたそうです。

パリと言う町並み、エッフェル塔の美しさには時に人の心を奮い立たせるものがあるのかもしれませんね。

歴史的建造物でありながら、魅力が詰まったエッフェル塔には一度でもいいから足を運んでみたいものですね。以前のように胸を踊らせ海外旅行に行ける日が待ち遠しいですね。