世界保健デー
1949年(昭和24年)4月7日、世界保健機関(WHO)がこの日を世界保健デーとし、国際デーの一つになっています。
新型コロナの関係で、テレビや新聞で最近何かと耳にしたり目にしたりする機会が増えたWHOですが、1948年の4月7日に設立されたことで、翌年からこの日を世界保健デーに制定しました。
世界保健機関(WHO)って何をしている機関?
WHOという名前は毎日のように見聞きしますが、普段どのような活動をしているところなのか、あまりピンと来ませんよね。
WHOは「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に、
伝染病の撲滅
公衆衛生の向上
麻薬取り扱いに関する規制の確立
エイズ問題への取り組み
など、その活動内容は数多くあります。
WHOの本部はスイスのジュネーブに設けられ、今では194か国が加盟しています。
昨年から猛威を奮っているコロナウイルスの問題は、まさにWHOのお仕事に当たりますね。事務総長が某国に忖度しているとか、いろいろ物議をかもしましたが。
例年ならば、世界規模で健康に対する意識を高めるためこの4月7日には、健康にちなんだテーマがWHOから発表されます。
日本では、この日に決められたテーマを厚生労働省が日本語に訳し、健康関わるイベントが開かれています。
過去のテーマには、「血圧管理の重要性:心臓疾患、脳卒中のリスクを減らそう」、「高齢化と健康 健康であってこその人生」などがあります。
国内での活動には、テーマに関する作文を中学生から募集して健康への興味関心を高めてもらうものがあります。
日本は常に何かしらの健康ブームが続いており、健康への意識が高いことが分かります。
スポーツクラブやヨガスタジオなどの増加は、健康には、運動がまず大切だと言うことの認識は広がってきているからでしょう。
食生活でも、あれを食べるとこんな効果があると聞くと次の日にはスーパーからその商品が無くなっているなんてことも耳にします。今年はいったいどんなテーマでどんな健康ブームがくるのでしょうか。
WHOが考える健康とは、肉体的な病気をしないだけでなく、心の健康も重視しています。
新型コロナの影響で、私たちは生活環境や社会環境が大きく変化している、その真っ只中にいます。
この日をきっかけに健康について考えたり、見直したりするのもいいかもしれませんね。
鉄腕アトムの誕生日
2003年(平成15年)4月7日は、鉄腕アトムの誕生日です。
鉄腕アトムは手塚治虫原作のSF漫画で、TVアニメや小説、映画化もされ、日本だけでなく海外でも大変人気がありました。
月間少年漫画雑誌の「少年」で連載が始まり1952年(昭和27年)4月7日のストーリーの中で半世紀後にアトムが誕生日することになっていたことから、4月7日が鉄腕アトムの誕生日になったそうです。
実際にアニメや漫画に触れることはなかった世代の人でもアトムを知っている人がほとんどでしょう。当時の子供達の中には、将来ロボット工学者を夢見る子供も多かったそうです。
意外とヒドイ生い立ちだった。アトムの誕生ストーリー
世界中から愛されるアトムですが、生い立ちストーリーは意外にも悲惨なものでした。
漫画のなかでは、2003年(平成15年)4月7日に科学省長官の天野博士が研究に研究を重ねロボットを完成させます。
これが、アトムなのですが、天野博士はこのロボットを交通事故で亡くなった自分のひとり息子である飛雄(とびお)そっくりに作り上げていたのです。
天野博士はこのロボットを自分の息子のように愛していました。ですが、やがてロボットが成長しないことに腹を立ててしまい、ロボットサーカスに売り飛ばしてしまったのです。
生みの親に捨てられてしまうと言う、非常に悲しいお話だったのですが、ロボットサーカスでアトムと名付けられ働いているうちに新しい科学省長官のお茶の水博士に出会います。
お茶の水博士の努力がありロボットに人権が認められ、アトムも自由の身になったそうです。
アトムと言えば正義の味方ですが、このような生い立ちストーリーがあったとは意外です。
天野博士のようにロボットや機械を愛することができるのは、人間のヒューマノイドと呼ばれる特殊能力だそうです。
大きなショッピングセンターの中で案内をするAI機能搭載のロボットや家庭でのお掃除ロボットなど、私達の生活の中に少しずつ入り込んできています。
もしかすると鉄腕アトムの影響を受けた子供たちが研究者や技術者になって、現実にロボットを作り社会に貢献させているのだとしたら、手塚治虫の与えた影響は人も科学も社会も動かしてしまうほど素晴らしかったものと言えるでしょう。
鉄腕アトム兄妹の名前には原子力への未来が託されていた
アトムはギリシャ語で原子と言う意味で、アトムは原子力をエネルギー源として動きます。さらに、アトムにはウランと言う妹がいます。ウランという名前はそのものズバリですし、彼女もまた、原子力をエネルギーにして動くロボットです。
このことから、当時(1950年代)、手塚治虫が原子力を用いた科学の発展の希望を、鉄腕アトムという作品に託したのでしょう。
当時、原子力は、大気汚染を起こさず、コストが安く、資源の枯渇の心配もない夢のエネルギー源として世界が注目をしていました。発電だけでなく、原子力を利用した船や人工衛星(原子力電池)が製造されるなど、科学技術が進歩とともに利用の範囲も広がりつつありました。
手塚治虫もきっと、原子力を活用することで新しい発見や、人々の暮らしが良くなること、明るい未来を想像しながらアトムを描いていたのではないでしょうか。
ロボットに、世界から「差別」なくなることを託した手塚治虫氏
鉄腕アトムの物語の中で、人々を守るために戦っても、他で問題が起こるとアトムを批判したり、信用をできないと言った差別を受けるような場面もありました。これは、人間同士の差別がなくなるようにと手塚治虫が託したメッセージでもありました。
手塚治虫の公式サイトには、
私たちの中にも「育ちが違うから」とか「結局、外国人だからな」なんて思ってしまう差別的な心がありますね。あなたはいま、あなたの周りの「アトム」につらい仕打ちをしていませんか?「おとななんて信用できない」「最近の子供はなにするかわかったもんじゃない」なんていう世代間差別はもちろん、「最新のゲームを持ってなきゃ仲間に入れてやらない」なんて差別もあるかもしれません。そんな身近なところから、いまも地球上で繰り返されている「民族差別」「宗教差別」による戦争の芽が育って行くのです。
手塚治虫公式サイト
と残されています。
彼は、世界から、人々の心から、差別がなくなるようにとロボットのアトムに託したのでしょう。
色々な面でたくさんの影響を与えた鉄腕アトムは、関連作品が現在でもトリビュート盤として数多く制作されているようです。