せっかく学習した内容を忘れたくない人へ|「ミニテスト」が記憶の定着率を倍増させる!


小学校から高校にかけて、小テストやミニテストとよばれる、漢字や英単語なら20個ぐらいのテストを受けてきたことは有りませんか。

私が通っていた高校はゆるめの進学校でしたが、週に2回、始業前に学校に行かねばならず、ウンザリとした記憶がまだ残っています。

さて、ここでは「ミニテスト」という言葉で統一します。

このミニテスト。学ぶ人に復習の機会を与え、脳の性質を生かして記憶の定着をよくしてくれる優れた勉強法です。学生時代は有難みを全然感じませんでしたが、私自身、英語を習得する過程で取り入れて効果を発揮しました。

せっかく勉強しても、ちっとも覚えられないとストレスを抱えていたり、悩んでいる様でしたら、このミニテストを取り入れた勉強法で「勉強したことを忘れない」ようにしてみましょう

ここでは、ミニテストの効果と、効果のあがる方法をお伝えします。

ミニテストは記憶の定着に効果がある

米国と慶応大学でのミニテストの実験結果

アメリカの大学で大学生を対象にした実験が行われました。その実験結果によると、「授業の最後にミニテストを受けていたグループ」よりも、「授業の最初にミニテストを受けていたグループ」のほうが、勉強時間がより長くなり、テストの点数も高くなることがわかりました。

慶応大学の中室牧子教授らによる研究室の調査結果によると、大学生が参加した経済学の講義では、「ミニテストを行なわないグループ」よりも、「毎週ミニテストを受けているグループ」のほうが、テストの点数が高くなるとわかったそうです。勉強時間についても上記のアメリカの実験と同じような結果が出たようです。

この実験(ミニテスト)を受けた学生からはこのような意見が出ました。

「1週間後のミニテストに向けて、勉強する機会が増えた」
「ミニテストそのものが復習の役割を果たしていた」
「大事なのは1週間後に、前回の授業内容を思い出すプロセス」
「ミニテストを受けることで、その日の授業内容が理解しやすくなった」

実験結果から、ミニテストを行うベストタイミングが考えられる

前段のトピックから「授業前のミニテスト」が、学習や記憶の定着に効果的だということがわかりました。

もう少し深掘りしてみます。

世界記憶力選手権で日本人初の「記憶力グランドマスター」の称号を勝ち取った池田義博氏によると、原始の時代から人の脳は生き延びるため、生命の危機に直結した情報を優先して覚える仕組みになっているそうです。

実際に、私たちがこのような危機的な状況はそうは起こり得ないわけですが、忘れかけた情報を思い出そうと呼び起こそうとすると、脳はそれを重要な情報だと認識するようです。

前述の実験の内容をみてみましょう。

授業前に行うミニテストは前回の授業内容の復習を促します。これまでに学習した内容を忘れかけたころに復習すると、脳はそれを重要な情報だと認識して、優先的に記憶する脳の性質をうまく活用することになります。

回答のなかに「大事なのは1週間後に、前回の授業内容を思い出すプロセス」とありましたが、もしかすると、この学生さんはあまりミニテストのための準備をしていなかったのかもしれません。

しかし「思い出す」プロセスが重要だと指摘していることから、ミニテストを受けるによって、この脳の仕組みを上手く生かして記憶を呼び戻す契機となったのかもしれません。

ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスの発表した「エビングハウスの忘却曲線」というデータがあります。

人が何かを学んだ時

20分後には42%忘れる
1時間後には56%忘れる
9時間後には64%忘れる
1日後には67%忘れる
2日後には72%忘れる
6日後には75%忘れる
31日後には79%忘れる

このことから、人は丸一日経ったら、学んだことの3分の2も忘れていることになります。

すると、短い時間でも毎日学習している人であっても、学習時間の冒頭にミニテストを取り入れても大丈夫ということになります。

昨日新たに覚えたことの半分以上が記憶があやふやになっているのですから。このタイミングのミニテストで記憶の定着を図りましょう。

ましてや週末にまとめて勉強している人は、学習時間の冒頭がミニテストを行うベストタイミングだといえるでしょう。


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ミニテストを取り入れた勉強法と具体的取り組み方

では、実際にミニテストをどのように取り入れればいいのか実践法を紹介します。

準備不用!紙もペンも不要なミニテスト

メンタリストのDaiGo氏が実践しているミニテストを参考にしました。

その方法は驚くほどシンプルです。必要なのは本やテキスト、もしくは自分が書いたノートなど、覚えたいことが書かれている情報源だけです。

・本やテキストなどの覚えたいページを読む
・いったん本やテキストを閉じる
・いま読んだページにどんな内容が書かれていたか思い出そうとする

彼によると、これがまた思い出せそうで、意外とハッキリ思い出せないのだそうです。実際にやってみるとそのとおりで、確かに、今見たばかりの事柄なのに、きちんと思い出せない。

でもそれでいいようです。少しずつ慣れていって記憶力が向上しますし、更に慣れてきたら少しずつ覚える範囲を広げていけばいいのです。

さて、前日に学習した内容のミニテストとして活用する場合はどうしたらいいでしょう。問題を解くわけでもなく、頭の中に思い出すとなると、かなり難易度が高いです。つまり思い出せない。

そこで、いちど昨日学習した部分にざっと目を通しましょう。復習です。それから上に記載した通りの方法で、ミニテストに移りましょう。

昨日学習している分だけ、ざっと見ただけでもだいぶ記憶がよみがえってきます。でもまだ定着しているか微妙です。ここでミニテストによって頭に負荷をかけて、呼び戻されるだけの重要な記憶だと認識させて、記憶の定着を図りましょう。

ミニテストを自分でつくっておいて次の学習の冒頭で取り組む

テスト勉強用アプリ「暗記メーカー(iOS/Android)無料、広告削除の課金オプション有り」など、問題集を自分でつくることができるアプリもあるので、そちらを試してみるのもアリでしょう。私は体験していませんが、レビューをみると好評のようです。

アプリ 暗記メーカー iOS版 公式サイト

アプリ 暗記メーカー Android版 公式サイト

こちらは、私が実践した方ですが、あるいは紙に手書きでつくっても、PCで打ち込んでつくってもOK。その日の学習の最後に、ラフで構いませんのでつくってしましましょう。

英単語でしたら、最後に別の紙に日本語訳を書き出しておくだけで十分です。翌日の学習の冒頭に、それを問題用紙として、英単語を書いていくという方法をとりました。

赤いフィルムで内容を目隠しできる単語帳や、文法などの教材を持っている人は、それをそのまま使えばOKですね。

ミニテストは短時間で済ます。考え込まない

ミニテストを行なう場合は時間を短く限って、思い出せない場合はサッサと答えを見てしまった方が良いとおもいます。

忘れかけていることを前提で行っているのですし、思い出そうというプロセスにいみがあります。そこで答えをみれば「ああ!これだ!」と強く印象に残るので、それだけでも大きな効果があったといえるのです。

『東大式節約勉強法』( 扶桑社)の著者の布施川天馬氏によると、このような場合に長く考え込んでしまうことは時間のムダになってしまうようです。彼は3分だけ考えて、何も浮かばなければすぐに答えを見るよう徹底しているそうです。

確かにこの方法は理にかなっていますし、彼の記事を知らずにミニテスト学習法を実践している人は、知らず知らずのうちに取り入れていると思います。私はあきらめるのが超速級になので1分も考えずに答えを見てしまいますが・・・。

参考記事・文献

東洋経済オンライン「忘れるのが早すぎる」自分を変える簡単なコツ
ダイヤモンド・オンライン「“日本一の記憶力”池田義博が教える 仕事ができる人の記憶術」
NIKKEI STYLE「小テストを行うなら、授業の前か後か」