OPECも世界の石油需要の見通しを下方修正

原油相場はWTIで47ドル近辺、北海ブレントで50ドルの大台を上回って膠着状態です。しかし、EIAに続きOPECも世界の石油需要の見通しを下方修正してきました。新型コロナウイルスのワクチン接種が米国でも認可され、需要不安の後退が期待されていることから、市場の需要不安はさほど強くないようです。

その一方で、OPECは来年の需要見通しをまた下方修正してきました。
OPEC の12月月報によると、2020年の世界の石油需要見通しは日量8,999万バレルで前回の予想より同2万バレルの下方修正、2021年の需要予測は日量9,589万バレルで前回から同36万バレルの下方修正となっています。
差引で日量590万バレルの需要超過です。これはOPECプラスが減産を予定通り続けるということによります。むしろ、協調減産を続けなければ、需要超過つまり今年発生した膨大な在庫を取り崩すことが出来ないと言うことなので、OPECとしてはこれぐらいの数字を望んでいるのでしょう。

またOPEC 原油を除く2020年の世界の石油供給見通しは日量6,267万バレルで前回から同7万バレルの下方修正、2021年の供給予測は日量6,352万バレルで前回から同17万バレルの下方修正です。こちらは日量85万バレルの供給超過です。原産の縛りがない国が含まれていますので、こちらは供給超過のままです。それでも、供給予測を下方修正しています。ただ、直近の先物価格が高水準で維持できているので、この見通しよりは、米国のシェールオイルの勢いが増して、供給が維持されるものと考えられます。

OPEC が推定する今年第4四半期の OPEC 原油必要量は日量2,642万バレルで、11月の生産量は日量130万バレル余りの供給不足としています。来年第1四半期の必要量は日量2,632万バレルですから1月に同50万バレル増産しても引き続き供給不足は続きますが、このまま毎月同50万バレルの増産が行われると3月には供給過剰へと転じます。

あとは、イランとリビアの状況でしょうか。
イランは、2021年の石油輸出量を現在の日量60~70万バレルから同230万バレルに引き上げることに意欲を示し、それに伴い現在日量200万バレルを割っている産油量を同450万バレルに引き上げる方針です。これは、バイデン政権のイラン制裁緩和次第なので、現時点では意識されていない様です。

リビアはもイランと同様にOPEC+の減産を免除されていますが、11月に内戦が落ち着き、日量10万バレル以下だった生産量が、日量120万バレルに急回復して、12月中旬現在も維持されているようです。これが、来年通年で維持されると供給過剰が意識されて来るのではないでしょうか。