4月に入って暖かくなってくると、陽気に誘われて旅に行きたくなりますよね。
旅の楽しみのひとつといえば、駅弁です。ちょうど4月10日は駅弁の日。上手いタイミングで出来ていますね。
しかし残念ながら、今は新型の影響で、簡単に旅行に行くことはできません。
この駅弁の日のお話で、少しでも旅行に行った気分になってくださいね。
駅弁の日の由来
駅弁の日は、1993年に日本鉄道構内営業中央会によって決められました。
4月は駅弁がよく売れる行楽シーズンであり、弁当の「とう」から10日、さらに数字の「4」と漢数字の「十」を合わせると「弁」の字に見えることから、4月10日になりました。
駅弁のおいしさや楽しさをより多くの人に知ってもらい、駅弁の魅力をPRすることが目的です。
駅弁の歴史。はじまりは「おにぎり2個」から

駅弁のはじまりには諸説ありますが、1885年(明治18年)に宇都宮駅でお弁当を売り始めたのがきっかけとされています。
この時、売られていたお弁当は、今のようなご飯とおかずといったものではなく、おにぎり2個とたくあん2切れを竹の皮で包んだものでした。
とてもシンプルですが、駅弁だと言われるとなんだかおいしそうに思えますね。
1万円超え!?超高級駅弁3選。最も高い駅弁は18万円!
現在では、様々な種類の駅弁が売られています。その中でも1万円を超える超高級な駅弁をご紹介します。
なかなか簡単に手を出せる値段ではありませんが、コロナ後に旅行に行けるようになったときに味わってみてはいかがでしょう。
極上松坂牛ヒレ牛肉弁当

駅弁の名前からもわかる通り、三重県の松坂駅で販売されている駅弁です。
この駅弁は、松坂牛の希少部位であるヒレ肉の中でも最上級の部位を使用しています。しかも、ヒレ肉の上には金箔がのっており、見た目もとても豪華です。
ご飯は無農薬にこだわった三重県産の新米が使用されており、副菜にも松坂牛や伊勢地鶏が使われているなど贅沢な気分になれます。
極上松坂牛ヒレ肉弁当のお値段は10,500円。特別な食材の手配があるそうで、このため完全予約制になっています。見込みで作って売れ残ったら大変ですものね。
賞味期限の関係で通信販売はしていないそうなので、松坂駅に行かなければ食べることができない貴重な駅弁です。
駅弁の「あら竹」公式ページ:これが日本一の駅弁極上松阪牛ヒレ牛肉弁当
加賀野立弁当
つぎは、金沢駅で食べることができる駅弁です。
この加賀野立弁当は、かつて加賀藩の御料理所を務めた料亭「大友楼」の味を堪能することができます。
この駅弁は2段になっていて、上段にはヒラメの昆布〆め、うなぎのだし巻き卵、ローストチキンなどの加賀料理が敷き詰められており、下段の左側にはマスの巻き寿司、ちらし寿司、海苔巻きがあり、右側には金沢名物の鴨治部煮が入っています。
また、お弁当箱の見た目は小さな箪笥のようで、下段は左右で引き出しになっています。
これは食べる前からわくわくしますね。
加賀野立弁当のお値段は10,000円。3個以上からでないと注文できないので、そのハードルの高さから幻の駅弁と呼ばれています。
下記の公式ページにも載っていません。食べた人のブログやツイッターによると、電話をして注文するのだとか・・。まさに幻の駅弁!
日光埋蔵金弁当

最後にご紹介する駅弁は、日光埋蔵金弁当です。
この駅弁は「日本一高い駅弁」といわれていて、そのお値段はなんと18万円!
新入社員の初任給がほぼなくなってしまう値段です。
気になる駅弁の中身ですが、最高級ブランド牛である「とちぎ和牛」のヒレステーキ、日光産の完全無農薬のお米を使った日光マス寿司や日光姫寿司などの日光名物だけでなく、北海道産のタラバガニや九州産の車エビ、ロシア産のキャビアといった日本各地さらには海外の高級食材が惜しげもなく入っています。
まさに「お弁当を開けたら埋蔵金が入っていた!」という感じです。
さらに、お弁当箱やお箸は創業100年の歴史をもつ「村上豊八商店」による日光彫と漆塗りが施され、金粉まで付いています。箱代が8割ぐらいを占める!?
駅弁の中身だけでなく、お弁当箱やお箸など細部にいたるまで高級なこの駅弁、見ているだけでお金持ちになった気分になります。
しかし、現在、日光埋蔵金弁当は「器がない」という理由で完売しています。
器が出来しだい、販売されるそうです。
駅弁が美味しい理由は周囲の音?

電車の中で食べる駅弁は、いつもの食事より美味しく感じませんか。これは調理法によるものなのか、それとも・・・。
もちろん、各お弁当メーカーが美味しさを追求していることはもちろんですが、これに加えて「環境音」というものが関係しています。
「一人で食べるよりみんなで食べるほうが美味しい。」とよく言われているように、人は環境音が聞こえる場所で食事をすると味を感じやすくなるそうです。
そして、「一番味を感じやすくなる音の大きさは約80デシベルである。」というイギリス・オックスフォード大学の研究結果もあり、まさに新幹線に乗っているときの音の大きさが80デシベル程度なのです。
ヒモを引っ張るとホカホカになる仙台牛タン弁当。その原理は?

とっても美味しい駅弁ですが、ひとつ欠点があるとすると「冷たい」ことです。
しかし、東北新幹線などで売られている仙台牛タン弁当はその欠点を克服しました。
この駅弁にはヒモがついていて、食べる前にそのヒモを引っ張ると湯気が出て中身があたためられます。そして、電車内でもあたたかい駅弁を食べることができるのです。
では、どうしてヒモを引っ張るだけであたたかくなるのでしょうか。
仙台牛タン弁当の器の下には、発熱ユニットという袋のようなものが入っていて、その中に生石灰と水が入っています。
この生石灰は水にふれると数百度にまで発熱して、水を水蒸気に変え、その水蒸気がお弁当をあたためてくれる、という原理になっています。
もはや定番。有名で美味しい駅弁5選
駅弁には2,000以上の種類があると言われています。その中でも有名な駅弁を5つご紹介します。
いかめし弁当

この駅弁は知っている方も多いのではないでしょうか。
いかめし弁当は北海道のJR函館本線で販売されています。
醤油ベースで甘辛く味付けされたイカにご飯が入っているというシンプルな駅弁です。
シンプルとはいえ、東京の駅弁コンテストでは何度も1位と獲得している実力ある駅弁です。
駅弁のイベントで売られることも多いので、見つけたらぜひ食べてみてください。
牛タン弁当
先ほどご紹介した仙台の牛タン弁当です。
ヒモを引っ張りあたためることで、網焼きされた牛タンの香ばしい風味が広がり、これがクセになりますよ。
肉好きの方は、一度味わってみる価値ありです。
えび千両ちらし

こちらは、新潟駅で販売されているちらし寿司です。
お弁当のふたを開けて最初に目に飛び込んでくるのは、一面の玉子です。
まさに千両箱のようですね。
そして、玉子の下にはウナギのかば焼きや蒸しエビが酢飯の上にのっています。
見た目も楽しくて味も美味しい、一石二鳥の駅弁です。
峠の釜めし

この駅弁の器を持って帰って飾っている方も多いですよね。
中身は鶏肉やごぼう、タケノコ、栗などを炊き込みご飯にしたものです。
味付けも優しく、ほっこりできる駅弁です。
柿の葉ずし

柿の葉ずしは奈良県の郷土料理で、サバなどの魚の切り身と酢飯を1枚の柿の葉で包んで押し固めたものです。
いわゆる押し寿司というもので、関西のほうでよく食べられています。
オンラインショップでも販売されていて、いろいろな種類の柿の葉ずしがあるので、気になるものがあれば味わってみてください。