新東名静岡区間6車線化工事が完成!横やりに翻弄された同区間の歴史を振り返って

新東名の暫定4車線運用と「猪瀬ポール」

せっかくトンネルや高架橋など構造物を6車線(片側3車線)で建設した新東名高速道路の静岡区間ですが、汚職疑惑で辞職した猪瀬直樹氏が委員を務めた道路公団民営化推進委員化でらつ腕を振るい6車線で設計されすでに着工されていた新東名を4車線で作り直すように命令しました。

さらにおかしな話だったのは、試験的に先行して建設されていた区間は6車線で既に完成しており、高速走行が実際に運用可能になるかといった試験を行っていました。猪瀬氏はこの部分もわざわざ4車線に直させ、車線の幅も従来の高速道路と同じ幅に縮めるという不可解なことをさせました。すると膨大な空きスペースが路肩に生まれたので、間違えて走らないように、ラバーポール(ムーミンにでてくるニョロニョロみたいなもの)を立てて仕切りをつくりました。

 開通後、利用者たちは呆れかえり、いつの間にかこのポールは「猪瀬ポール」と呼ばれるようになりました。

なお、道路公団民営化自体は評価すべき点の方が多いのですが、それについては後日別記事にします。

新東名でも大型トラック横並び「通せんぼ」状態、加えて東名の迂回ですぐに渋滞する脆弱な新東名

一部の関係者が隠れて抵抗してくれたおかげもあり、一部は6車線で開通しましたが大半は暫定4車線。すると問題が出てきました。

ひとつは、深夜の東名高速などで問題になっていた大型トラックが横並びになってしまうことで、追い越し車線の後続車が「通せんぼ」状態になって、不便、危険であったこと。これは乗用車、大型トラック双方の言い分がありますのでここでは論じませんが、そもそも6車線で開通していれば発生しなかった問題です。

もうひとつは渋滞。新東名が開通すれば渋滞はほぼ解消するという触れ込みでしたが、東名が工事や事故で渋滞や通行止めが発生すると、新東名に流入する車が多くなり、2車線区間で渋滞が頻発するようになりました。

2018年に6車線工事に着手

このように6車線化が社会的に望まれる状況になったことを受けて国も動きました。そしてNEXCO中日本が国土交通省の事業認可を受けたのが2018年8月、事業費は約900億円です。某氏のお陰で無駄な出費が増えました。カバンに入りきらない謎の5,000万円以上に大きな損害を社会に与えたといえます。

新東名6車線化区間 出典:NEXCO中日本

新東名の愛知県区間や神奈川県区間も6車線化に向けた調査をするとしているが・・・

なお、NEXCO中日本は三ケ日JCT以西の愛知県区間や御殿場JCT以東の神奈川県区間も6車線化に向けた調査をするとしていますが、極めて困難。おそらく不可能でしょう。

これらの区間は例の公団民営化改革で暫定4車線で着工することと定められてしまったので、高架橋もトンネルも片側2車線で造られています。高架橋は橋桁に将来3車線に拡張しやすくできるような設計がなされています。

しかし新名神の滋賀県の既開通区間で既に同様の拡幅工事をしているのを見ると短い橋長の高架橋ながら大掛かりな工事で費用は嵩みそうです。このような工事を新東名の残りの区間でも同様に行うとなると、どれほどの費用が掛かるのでしょうか。

ましてやトンネルは・・・、NEXCO東日本からトンネルの交通を確保したまま拡幅工事を行う場合の工法について示されていますが、不可能だと言わざるを得ません。

ケチるべきでは無いところをケチって後に後悔するという最悪のパターンです。

静岡区間は快適に走れると期待

何はともあれ静岡県内の145㎞もの長い区間がより高規格な道路として再デビューを果たした訳でして、以前より快適になったことは間違いないでしょう。私にとっては拡幅工事中に走って以来なので、とても楽しみにしています。