為替、ドル円は103円台で膠着が続くなか、新興国通貨は強気の見立て

23日のニューヨーク外国為替市場の円相場は1ドル=103円台半ばで推移。現地時間午後5時現在は103円49~59銭でした。

ワクチンや変異コロナウイルスなどニュースが相次ぐも、膠着状態が続くドル円相場

12月中旬よりドル円相場は103円台の狭いレンジ内で推移しています。ワクチン接種がすすんだり、ワクチン接種が英国に続き米国でも開始されたり、ファイザー社に続きモデルナ社も認可されるなど、明るいニュースが届く一方、英国では感染力がより強いとされるコロナウイルスの変異種が発見され、各国が英国との出入国を停止するなど先行きを懸念するようなニュースもあり、強弱相半ばといった様相でしょうか。

新興国通貨に注目が移る。基調が変化し、回復の公算が大きい?

新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた新興国の通貨ですが、ワクチンが回復に向かわせるとの見込みをBloombergが報じています。

ブルームバーグが12の新興国通貨を対象に、ワクチン確保率やロックダウン状況、通貨の相対評価などを基準にまとめたレポートによると、メキシコ・ペソとチリ・ペソがワクチン回復によって相場回復が見込まれる通貨ランキングの上位のようです。中南米アジアなどウイルスに比較的適切に対応した国々と比べて、ワクチン効果の意義が大きくなることが上位に評価された要因でしょうか。

さて、このランキングどおりになるかは別として、このようなニュースが出てくるあたり、為替相場のセンチメントは前向きになりつつあることを現しています。

米国FRBの追加緩和の期待は依然と残る。ドル安新興国高の流れが続くか

15、16日は、アメリカでFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されています。市場は何らかの追加緩和策が打ち出されると期待していたため、特段の動きはなく「アメリカ国債などの購入を、完全雇用と物価安定に近づくまで継続する」といつものお題目が出てくるだけでした。
とはいえ、FOMC直後のパウエル議長は記者会見で記者の質問に対して、「アメリカ国債の購入などできることはある」「資産購入は必要に応じて柔軟な選択肢がある」と答えています。このため追加緩和の期待は依然として残っています。この議長発言への信頼感から会見後は株高、ドル安方向に振れました。
この米国の追加緩和への期待が新興国通貨への期待を高める背景にあることは間違いないでしょう。